足以外も水虫になるの?

2019年11月01日

水虫といえば足がかゆくなるというイメージが強い病気です。
水虫の原因となる白癬菌は真菌〔カビ〕の一種の皮膚糸状菌、タンパク質のケラチンを養分に繁殖して強烈なかゆみや、皮膚がじゅくじゅくする不快な症状を引き起こすのです。
ケラチンは人の皮膚を構成する成分の一種で、髪の毛や爪の材料でもあります。
そのためケラチンがある場所ならば白癬菌は繁殖することが可能、足以外の部分も水虫になってしまうのです。
それでは足以外の水虫にはどのような種類があるのか、そしてそれぞれの特徴をみてみましょう。

足以外の水虫は感染した部位によって種類が分けられています。
たとえば足に感染する一般的な水虫は「足白癬」、手が感染すると「手白癬」と呼ばれます。
足に水虫がある人の20人に1人は、手も感染しているといわれるのです。
「手白癬」の特徴は足と同じように角質が厚くなりボロボロとはがれたり、小さな水疱ができます。
足ほどではないですが、かゆみが出る場合もあるのです。

白癬菌が爪に感染する「爪白癬」は、爪水虫とも呼ばれます。
爪の表面は固いため、直接菌が入り込むことは少ないのですが、長時間靴をはいたままでむれたり、ぬれた足を拭かずに不潔な状態にしておくとケラチンを含む垢がたまり、菌が繁殖しやすい状態になってしまうのです。
「爪白癬」の症状は爪が白くなることから始まりますが、かゆみを感じにくいため治療が遅れてしまうケースが多いのです。

子どもに多くみられるたむしの原因も白癬菌、水虫の種類の一つと言えます。
たむしもできた部位によって呼び方が変わります。
頭部できる「しらくも〔頭部白癬〕」、股にできると「いんきんたむし(股部白癬)」、それ以外にできると「ぜにたむし〔体部白癬〕」と呼ばれています。

頭にできる「しらくも」は頭皮がかゆくなり、赤く腫れ大きなフケが落ちるなどの症状があります。
白癬菌が髪の毛のケラチンも食べることから円形脱毛症のように髪が抜けてしまうこともあります。

男性に多いことが特徴の「いんきんたむし」は、主に陰部に感染する水虫です。
皮膚に赤い斑点ができてj徐々に広がり、激しいかゆみを伴うため、掻きむしってしまうのです。

「ぜにたむし」は顔から手足まで、どこにでも発症することが特徴です。
最初は小さな虫刺されのように赤くプツプツができて赤い輪のように広がり、縁の部分は隆起して水疱もみられます。

このように水虫は体のあらゆる部位に感染し、さまざまな症状を引き起こします。
なにより怖いのが高い感染力です。
患者のはがれた皮膚や抜けた髪やフケの中でも生きていて、肌にふれると皮膚に入り込み感染してしまうのです。

本当に水虫?似た症状の皮膚疾患に注意!

近年、新種の水虫として注目されているのが、「トリコフィトン・トンズランス感染症」、原因菌は、1950年代に中南米で発見された白癬菌の一種です。

日本には2001年に柔道やレスリングなど、スポーツ選手の海外交流から集団感染して広まったといわれます。
格闘技で肌がふれる顔や首、上半身の露出した部分に多く感染することが特徴です。
「トリコフィトン・トンズランス感染症」は、足に感染する白癬菌よりも皮膚の角質への侵入が早く、感染力が強い非常にやっかいな水虫です。

皮膚に赤い湿疹や水疱ができたり、かゆみの症状が出ると水虫の可能性が高いのです。
しかし、皮膚疾患の中には、水虫に非常に良く似た特徴をもつ病気もあるのです。
水虫と思い込んで薬をぬっても症状が全く改善しない場合は、全く別の皮膚疾患かもしれません。

見た目だけでは専門の医者でも、水虫と見分けるのが難しいのが汗疱状湿疹(かんぽうじょうしっしん)です。
手の指や手の平、足の裏に小さな水疱ができて皮がむけたり、強いかゆみが出ることもあります。
詳しい原因は判明しておらず、多汗症やストレス、アトピーなどが関連があると考えられています。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、手の平や足の間に小さな水ぶくれができる皮膚の疾患、赤く腫れて膿の水ぶくれができてかさぶたになり、また水ぶくれをくり返します。
この病気は、むし歯や歯周病、金属アレルギーと関連していると考えられています。

これらの皮膚疾患は、一見、水虫のように見えても白癬菌とは全く関係がないため自己判断は禁物です。
皮膚の病気は見た目だけでは、判別できないことが多いのです。
水虫のようなかゆみや症状が出たときには、早めに皮膚科で診察をうけて、白癬菌がいるのか別の原因が考えられるかを確認する必要があるのです。